| タイトル | DVD能楽囃子「大和秦曲抄」 |
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| サブタイトル | 能楽 謡と囃子の世界 |
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| 編著者 | 梅若玄祥(シテ方観世流)/観世元伯(太鼓観世流)/亀井広忠(大鼓葛野流)/藤田六郎兵衛(笛方藤田流宗家)/大倉源次郎(小鼓方大倉流宗家) | |
| 出版社 | 檜書店 | |
| 価格 | 4,200円(本体4,000円+税) | |
| 判型 | DVD | |
| ページ数 | ||
| 発売日 | 2009-08-05 | |
| 在庫 | 有り | |
| 注文コード | 482791200 |
現代邦楽界最高水準の演者による能楽囃子と謡いのDVDです。
8月5日より好評発売中です。
【プログラム】
第一部 大和の神々
1、翁 14分13秒 2、三番三 11分52秒 3、神舞 3分53秒 4、三輪 14分01秒 5、鞨鼓 5分43秒 6、野守 7分42秒 7、獅子 6分42秒
第二部 謡と鼓の世界 8、歌占 4分02秒 9、松虫 4分14秒 10、勧進帳 7分05秒 11、三井寺 7分46秒
【出演者】
梅若玄祥(シテ方観世流):翁 三輪(各シテ・地頭) 松虫(謡) 三井寺(謡)
山本博通(シテ方観世流):翁 三輪(地謡)
浦田保親(シテ方観世流):翁 三輪(地謡)
辰巳満次郎(シテ方宝生流):野守(シテ地謡)歌占(謡)勧進帳(謡)
山内崇生(シテ方宝生流):野守 (地謡)
辰巳孝弥(シテ方宝生流):野守 (地謡)
藤田六郎兵衛(笛方藤田流):翁 三番三 三輪 獅子
赤井啓三(笛方森田流):神舞 鞨鼓 野守
大倉源次郎(小鼓方大倉流):翁 三番三 (頭取) 三輪 鞨鼓 獅子 松虫 三井寺
清水晧祐(小鼓方大倉流):翁 三番三 (脇鼓) 神舞 野守
荒木建作(小鼓方大倉流):翁 三番三 (脇鼓)
山本哲也(大鼓方大倉流):神舞 野守 歌占
亀井広忠(大鼓方葛野流):翁 三番三 三輪 獅子 勧進帳
大倉慶乃助(大鼓方大倉流):鞨鼓
観世元伯(太鼓方観世流):神舞 三輪 野守 獅子
「大和秦曲抄」 (後書き)
平和を祈り続けた舞台芸術があります。
それは日本の奈良で生まれた伝統芸能「能楽」といい、少なくとも500年以上の歴史を持ちます。
日本のみならず世界の歴史を舞台芸術で活き活きと伝え続ける能楽は2002年のユネスコ、無形文化遺産に採択されました。しかし、遺産と呼ぶに、これほど似つかわしくない芸能は有りません。
能楽という芸能から謡と囃子のみを取り出して作られたこのDVDはそれを証明するのに十分な芸術性を伝えることと信じます。(一部略)能楽の可能性を世界に広げる一助となる事を望み挨拶に代えます。
総合制作 能楽大倉流十六世宗家
大倉源次郎秦宗治
このDVDはすごすぎます!私は音楽好きなので、クラシックから民族音楽まで、幅広く聴いてきましたが、正直、びっくりしました。とにかく、演奏者の気迫と情熱が、画面を飛び出すように伝わってくるのです。
能の音楽部分だけをとりだしているので、映画のサウンドトラックのようなものかなぁ、と想像しておりましたが、そんなかわいいものではありません。音だけを取ってみても、演奏者の方々の気迫と緊張感の途切れない演奏は、世界的に大ヒットした「アダージョ・カラヤン」のCDを聞いたときのような感動でした。
また、見る前は、正直言って、なぜCDではなくDVDなのだろうと思っていました。普通は、映像にすると、舞台の迫力が失われて、つまらなくなることが多いからです。でも、このDVDは違いました!音質のよさはもちろんのこと、カメラアングルがとても工夫されていて、アップの映像も多く、舞台の魅力がさらに凝縮されていました。私は、能楽堂にもいきますが、これほどの舞台には、なかなかめぐりあえないと思います。初めから世界中の方々に向けて配信する予定で制作された気概が、十二分に伝わってきます。
楽曲としてすばらしい演奏で、かつ、囃子の魅力が凝縮されているので、初めての人にもオススメです。お能のことを何も知らなくても、予備知識なしで十分楽しめると思います。また、このクオリティと迫力は、お能マニアの人もうならせることができるDVDだと思います。メイキング映像つきなのもうれしいです。
しいていえば、謡(言葉の部分)の字幕の日本語に難解な漢字が多いので、ルビを振って欲しかったです。
このDVDをきっかけにしてお能の世界に興味を持つ人が、日本国内に限らず、世界中でどんどん出てくるのではないでしょうか。第二弾の制作も、是非、よろしくお願いします。
「おお、こんなDVD出たんだ。面白い企画だな。」というのが、最初の印象である。
一般的に、能に関する音源や動画は、最近増えてきたとは言っても、実はそれほど多くはない。部分的には、お囃子の音源は、数は少ないがそれなりにある。謡曲に関しても、取り上げられる曲はかなり似てはいる(いわゆる「小謡名曲集」的なもの)が、いくつかはある。能そのものの動画も、新旧とりまぜて、最近いろいろな名人の名演を目にすることができるようになってきた。
そんな状況の中で、この「大和奏曲抄」のような囃子と謡だけ、しかもCDではなくDVDというのは・・・・極めて珍しい(もしかして初めて?)。いや、珍しいだけではない。能に少しなじんできた者ならば、必ず興味を持つお囃子と謡。しかし、実際に能を観ているときには、その重要さは認識しながらも、物理的にも心理的にも、能役者の演技の背景になりがちな部分でもある。それらが、前面に、まさに目の前で、演者の表情や間合いを読み取りながら、観ることができるのが、このDVDの最大の売りだろう。
選曲も、囃子と謡の「いいとこどり」になっている。第1部「大和の神々」では、お囃子ファンとしては外せない「三番三」「神舞」「猲鼓」「獅子」や「三輪」の神楽など。そして、謡のファンは、第2部「謡と鼓の世界」で「歌占」「松虫」など一調でゆっくりと謡を堪能。そしてなんといっても、最初の「翁」。謡と囃子の絶妙のコンビネーションが楽しめる、いわずもがな、の1曲である。個人的には、大鼓の「陰陽のアシライ」など、これまで何度も「翁」を拝見しながらも気づかずにいたことを、新たに知って嬉しかった。
そして、番外編として楽しめるのが、メイキング映像。演者の先生方が、切戸口から出入りする姿や、大鼓の皮を焙じている風景。そして、先生方のコメントも、なんとも楽しい。メイキングは、もっと長くてもよかったかなと思う。
初心者は全体の雰囲気を、上級者は細かなディテールを楽しめる、お薦めの1枚だろう。
二部構成となっているこのDVDの第一部“大和の神々”は、《翁》《三番三》といった、能が大成される以前の古い旋律を伝えている曲を含め、全部で七曲。それぞれ囃子と謡のみの収録であり、収録時間は約四分から長いもので十四分程度となっている。
まず簡単な印象として、同じ囃子、謡であっても、通常の(舞や装束のある)能のときとは、かなり異なるものであるということ。
とにかく全編を通して感じられる緊迫感が、ただごとではない。
すでに冒頭から、尋常でない気迫や緊張感といったものが、映像と演奏を通して、ある意味ダイレクトに、怖いぐらいこちらに伝わってくる。のっけからこの仕事にかける人々の真剣さに圧倒され、胸打たれることとなった。
おそらく誰も一度くらいは、能を鑑賞していて、つい眠気を誘われた経験があるだろう。しかしこの『大和秦曲抄』の鑑賞者は、まずそのようなことにはならない。能楽は〈神事〉であるとか〈総合芸術〉などとよくいわれるが、ここではそうしたことよりも、熱意溢れる人の業というものが前面に押し出されていく。それぞれが絶えず最高潮の精神力をよく保って、持ちうる気迫と技術を込め、そしてひとつに溶け合っていく。〈天地縦横の妙〉という言葉もあるが、こうした演奏に対して、おそらく多くの人は、多少なりともこころを動かされることになろう。平たく言い換えれば、「息を呑む面白さ」である。
プログラム第二部は、《松虫》や《勧進帳》などの人気演目四曲の一調である。
一調とは、〈謡と打楽器との二人で演奏する能の略式演奏〉ということだが、これこそは一対一の真剣勝負そのもの。ではあるが、同時にここに現されているのは、当然ながら対立ではなく、真剣のうちにある、より高次に調和した完全なひとつの世界である。
今回はじめて、映像を通して一調というものを観て、このちいさな宇宙とでもいえるような、ただならぬ濃厚な時間感覚を、これまで自分はみたことがなかったと感じた。
略式という純粋さにも助けられ、とても抽象的な雰囲気がしだいに夢幻へと極まってくる瞬間など、それこそこちらの身体がまるごとどこかへ持っていかれるような心地良さに酔い、逆に神事に触れるような厳粛さに打たれる一時もあった。
意義や理屈ではない、一目、一聴でわかってくる、明晰な抽象としかいいようのない能楽のうつくしさが、この作品を通しても感じることができた。
舞や装束はなくても、このDVDではこうした能楽というものの醍醐味すら堪能でき、決して一部の人しか楽しめないような特殊なものではない。
とにかく、能の面白さが端的に詰め込められた商品である。