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野村萬斎 What is 狂言? 改訂版

【映画「花戦さ」主演・野村萬斎の本!】

著者/出演者 野村萬斎(著) 網本尚子(監修・解説)
出版 檜書店
判型 A5判・並製本
ページ数 128ページ
在庫 有り
価格 2,160円(本体2,000円 + 消費税160円)

物販商品

商品説明

人気狂言ガイドブックの増補改訂版

狂言についての「?」を野村萬斎がQ&Aで答える。
新しい写真も満載で、狂言のスタンダードに加え、今回の改訂に伴い新たにインタビューを行い、新しい試みに挑戦し続ける萬斎の魅力を紹介する。
主な演目のあらすじやコラムも掲載し、ガイドブックとしても最適。この一冊で狂言のことが良くわかる、見て楽しく、読んで面白い狂言読本。

レビュー

「野村萬斎What is 狂言?」を読んで

当代随一の人気狂言役者の野村萬斎さんのお舞台を私は何回も拝見したことがある。

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「佐渡狐」「棒縛」「三番叟」……

 どの番組でも萬斎さんが登場すると能舞台の空気の密度がぐっと濃くなる。萬斎さんが発する気迫が客席に伝わってくる。舞台と客席の距離がぐっと近くなるのだ。

 そしてその声。特殊な波動を持つのではないかと思われるほどの、圧倒的な表現力。狂言師の一家に生まれ、小さい頃からの研鑽の積み重ねがあるとはいえ、やはり生まれ持っての才能が桁外れなのだと思う。

 萬斎さんのお舞台はいつもほぼ満員。客席で居眠りしている人などいない。眠ってなどいられないほどの迫力で、私たちに迫ってくる。

 しかしながら、何と言っても六百年以上の伝統を持つ芸能なので狂言を観ていると素朴な疑問も湧いてくる。

「わわしい女って、どんなひと?」

「狂言独特のあの張りのある声はどのように作るの?」

「能と狂言の関係は?」

「太郎冠者って何者?」

 萬斎さんのご著書

「野村萬斎What is 狂言?」は、そんな素朴な疑問に丁寧に答えてくれる。

 そして、萬斎さん独特の品格ある美しい芸風の秘密にも。狂言鑑賞の前に一読しておくとより一層舞台が面白くなるはず。

 萬斎さんと同時代に生きていられて幸せだと私は思う。狂言ばかりではなく現代劇、テレビ、映画、そしてなんとゴジラ役まで。きっと後世、天才狂言役者と語り継がれることだろう。

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(山上 安見子 様)

「狂言」の舞台に惹かれ、能楽堂や劇場に足を運ぶようになり5年余り。なぜ「狂言」は、時空を超え人を惹きつけるのだろうと振り返ってみる。

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「狂言」の舞台は、「笑い」や「可笑しみ」で人を楽しませ和ませる。祝言性のある朗らかな笑いは、日常を超えた存在とのつながりが現代でも失われていないことを思い起こさせる。そして時には、登場人物に自らを重ねることで「いつの時代も変わらない」「人が生きるということの根底に流れるもの」を示唆される。そんな時、演者が投げかける一言、一挙手一投足がこころのうちに残る。それは水面に投げられた小石の波紋のように広がって、「人への問いかけ」という演目の特性とともに記憶のなかで反芻する醍醐味を味わわせてくれる。

狂言の舞台を観ることで、自らのうちで体験していることが、本書にはとても端的に表現されていると感じた。あるところでは数行、あるところではほんの短い言葉で、暗黙のうちに感じていたことが引き出され、蘇り、パズルのピースのようにあるべき場所に収められる。言葉にならず、もやもやしていたものに、「そうそう、そういう感じ」「そういうことだったのか」というような納得感、共感をしばしば覚えた。

もちろん新たに示唆されることも多くあり、収まったピースが違う場所に置かれて異なった風景を描きだすというような可塑性も感じられる。みたことのない演目については、端的に語られる言葉の余白がさらに興味を引き立てる。

そして「改訂版」である本書の特徴は「狂言の未来」を記す著者の言葉ではないかと思う。そこに狂言のもつ「人間を映す劇(本文より)」としての限りない深さと豊かな可能性を感じた。

理解の手助けとなる写真が散りばめられ、はじめて狂言をみる人にも、ぜひ手に取っていただきたい一冊であると思う。

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(匿名希望 様)
「笑い」って?

狂言って、どこで、どう笑えばいいの?

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『呼声』を観た時、一人笑う所がずれ、笑い方が違っていた。恥ずかしくて狂言の観方について尋ねると、「What is 狂言?」の本を紹介してもらった。

 目次は質問形式で書かれており、自分の知りたい項目をすぐ探すことができた。

 「面白い時にはいつ笑って頂いても結構です。・・・狂言を笑おうと思わずに、登場人物の生き様を味わうように見て頂くと、違った面白さを発見できるはずです。」と書かれていた。

狂言だからと言って気負わず、自分が面白いと思った所で笑えばいいんだ。私は、これを読んでほっとした。

 本を一読し、狂言の観方も分かった。これで次の公演は気楽に観ることができるだろうと自信を持ち、『名取川』を観に行くことにした。

その公演では、萬斎さんが舞台を三角形の形を描いて歩いていた。何なのだろう、この不思議な動き。なんで、自分の見所の方へは来てくれないのだろう。帰ってもう一度本を読んで見ると、これは狂言の決まり事で「道行」と言い、舞台を一周するとどんな遠い所でも目的地に到着したことになる決まり事と書かれてあった。

ああ、そういう意味だったのか・・・。一読しただけでは、まだまだ分からないことばかりだった。

 他には、演技・演出、小道具等について、平易な文章で書かれており、『彦一ばなし』『鮎』の観劇の時、より楽しむことができた。

改訂版は、新演出と狂言の未来についての部分が大きく書き換えられている。

「狂言は人間を映す劇」であり、人間賛歌のドラマとあった。

私は、観客には笑いの型はない。衣装こそ時代的だが、人が笑ったり、泣いたりする姿は昔と変わらず、今も同じだと思う。だから、それを見事に演じている狂言に惹かれる。そしてより楽しく観るためには、この「What is 狂言?」は、とても参考になると思う。

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(せら あやの 様)
萬斎 満載 狂言 万歳(+α) 野村萬斎What is 狂言? 改訂版を読む

作り手のセンスが、何とも際立つ1冊なのだ。

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著者は、あの野村萬斎師。監修・解説を担当したのは網本尚子氏。網本氏は、まったくの素人を、狂言の世界へと優しく導く人。

A5版、127ページとコンパクト本(このくらいの厚さが良いという意見あり)。中身はもうぎっちり詰まった、まさに狂言ワンダーランド。見開き2ページごとに、世界がダイナミックに展開する(能にもこんな本が欲しいという意見も)。

まず目に飛び込んで来るのが、萬斎師の舞台写真の数々。

本を開いて、真っ先に目に入るのが左ページ。それがすべて写真なのだ。しかもその大多数が、萬斎師。様々な登場人物の姿のみならず、その人物の風情や背負う人生さえ伝わって来る、奥行のある、しかも生々しい写真なのだ。この写真を見るだけでも、狂言とは如何なるものか、感覚的に把握できる。のみならず、萬斎師という稀有の存在が発するオーラを存分に味わい、楽しむことができる。

見開き2ページで構成されるこの本の真価は、さらにその先にある。右端に大きな活字で1行、問<Q>が発せられ、左端に答<A>が1行で記される。この2ページで、狂言に関する短い問答が行なわれる。右ページは問いから答への、萬斎師の簡潔な説明と、網本氏による手短な解説。

その一例として(本文94~95ページ)。

<Q>狂言の演技の真髄は何ですか?

<A> 観客の想像力に訴え、舞台にない物をも表現するところです。

この説明として萬斎師は、「木六駄」を例にあげて、「牛は舞台には登場しません。太郎冠者の演技で、いないものをいるように見せるのです」と、実際の演技を引いて説明する

加えて網本氏が解説を付け、例えば生け垣を乗り越える演技では、実際には存在しない垣の大きさや形などが、「演者の体の動きひとつで…表現される」と述べ、狂言「木六駄」のあらすじまでもが紹介される。写真はもちろん萬斎師で、大雪の中、牛12頭を引いて峠越えをするその難渋する情況と疲労がひしひしと伝わる。

このような問答が61。あらすじ紹介が32。加えてコラムが17。難解語彙の解説やチケット購入方法まで、まさに狂言てんこ盛りの壮観さなのだ。

しかしこの本には、さらにもう一つの顔がある。タイトルにその名を冠する、現代を生きる表現者、野村萬斎その人の全貌が顕われる。長く世田谷パブリックシアターの芸術監督を務め、新作狂言を創作し、演出家として様々な演劇に取り組み、現代アートの最先端とコラボし、狂言の身体表現のワークショップを行ない、もちろん映画にも出演し…。狂言という枠には到底収まり切れない、野村萬斎のただならぬ本性が明らかにされる。

数学の集合のように、狂言という円とぴったり重なって、少しいびつで少し大きい(かも知れない)野村萬斎という円が存在する。そしてそのふたつの円を揺ぎ無く貫いているのが、鍛えられた狂言師、野村萬斎の身体。すなわち、激しい動きにも、微動だにしない身体の軸がつくる美しい身体性に他ならない。その軸は、時空を超えて狂言を貫く軸そのもの。その軸を介して、狂言師・萬斎師と、表現者・野村萬斎は、ダイナミックに交流して相互に賦活し高め続けている。

そして本書の最後のページは、万作・萬斎・裕基の野村家三代が集う写真と共に、「伝統と現代性を併せ持つ舞台をめざしたい」との決意が記される。

それはとうに解っている。何故なら表紙の写真、「棒しばり」の太郎冠者となった萬斎師の、ただならぬ気迫と視線がすべてを語っているのだから…。

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(阿部 未知世 様)

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